新型コロナウイルスによって発令された緊急事態宣言は、仕事と暮らしの活動を自粛することで、感染防止をしようという試みです。しかし、現実的には、仕事をしてお金を稼いだり、畑を整備して野菜を育てる準備をしないと僕(@ka_zz)たちは、暮らしていけないわけです。
そんなわけで、パーマカルチャーを実践しながら学んでいるパーミーズ高麗が新年会を開催。昨年収穫したもち米や高黍(たかきび)で餅つきをして食料自給をして参りました。
「食べる」ことを通して、自然界の仕組みを学び、その中でより本質的な豊かさを探求しているのがパーミーズの活動。ぺったん、ぺったんと餅をついて食べる、、その一連の作業から、数多くのことを吸収できた素晴らしい一日になったのです。
面倒な餅つきから僕たちが得られるもの。
僕たちが、ふだん何気なく食べているものが、実は途方もなく沢山の人、動物、植物、自然界(太陽、月、惑星、土、水、森、海、風、虫)たちの働きによって作られていることを、体感できるのが野菜、穀物作りです。お餅ひとつを作るにも、材料となる米、臼と杵、セイロ、薪などなど、人間ひとりの力で用意できないことを、パーミーズの活動を通して実感することができました。
スーパーマーケットに行けば、袋入りの餅をいつでも買うことができます。
その便利さと手軽さは、もちろん大事です。
しかし、お金を出せば買える・・が当たり前になった結果、僕たちの暮らしは味気のないルーチンに陥っていることに多くの人が気づき始めています。例えば、食べることで心の満足を求めた時、お金を消費して高級な食材(オーガニック・希少価値が高いもの)を買ったり、評判のお店へ出かけたりします。それはそれで、美味しい料理にありつけるわけですが・・
消費で得られる満足感は、たちまち心から消えてなくなってしまう・・のが通常です。
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なので、次の刺激を求めて情報をあさり、手当たり次第に消費をつづけているのが、経済市場主義の社会構造です。ところが、パンデミックによって僕たちの行動は制限され、その最たる影響が”消費”であることは言うまでもありません。
なるべく外に出るな、なるべく人に近寄るな、人が触ったものは危険(だから殺菌してる)・・という風潮によって、人間社会は行動(消費)が大きく変化しました。ほとんどの家で料理を作る頻度が増えて、その分、外食の回数が減りました。
その次の段階として、家の庭やバルコニーで野菜を育てたり、畑を借りて本格的に土に触れる生活にシフトする人が増えています。そう、消費の反対である”生産”をする活動です。
そのために、土地が豊富にある地方へ移住する人も増えています。隣町である飯能市では、山間部が人気で、平常時の三倍もの人々が移住をしてきています。パソコンとインターネットがあれば何処でも仕事ができるテレワーカーや、看護師や保育士など資格があればどこでも再就職ができる職業の人だけでなく、会社そのものを地方へ移転する企業があいついでいます。
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その根底にあるのが、豊かさの再定義であり、20世紀型の消費に基づいたそれではなく、生産をすることで新しい価値感を見出しています。例えば、僕たちの食生活に欠かせない味噌や醤油を仕込んだり、ジャムやシロップを仕込んだり、梅干しを漬けたり、干し柿を作ったり・・手頃な生産作業から始まり・・今度は味噌を仕込むための大豆を育てたり、蕎麦を打つための蕎麦の実を育てるところまで深まっていきます。
大豆も蕎麦の実を育てて収穫して脱穀までするとなると、とても面倒な作業となります。しかし、その面倒な作業の中から新しい豊かさの価値を探そうとしている人が増えているのです。そもそも豊かさって何?って考えた時に・・
・心が満たされた暮らし
・安心感に包まれた暮らし
・人間らしく快適な暮らし
などが挙げられます。
当然、人それぞれ価値観は違いますが、可能なかぎりストレスを排除しつつ、心が満たされた暮らしの実現を望むのが人間の欲求です。
経済市場主義の元に、大量生産、大量消費こそが豊かさだとしてきた旧世紀の価値観は、結局のところ大企業や一部の資本家が肥えただけで、全体を見れば歪みに歪んだアンバランスな社会が出来上がったわけです。
そこで餅つきなわけです。
米を育て、収穫からの脱穀作業は面倒なだけですが、そこから学べるものはたくさんありまし、喜びもたくさんありました。薪で火を起こし、米を蒸して、ぺったんぺったんと餅つきをするのも、後片付けも含めてたくさんの手間隙がかかりました。もしかしたら、インターネットからワンクリックで手に入る美味しいお餅に比べれば味も劣っているかもしれません。
ですが、餅つきは最高なのです。
お金では買うことができない楽しさ、面白さを味わうことができるのですから。
▼パーミーズの活動報告
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▼パーマカルチャーの入門書
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